日本人はチップを渡したり受け取ったりすることに

抵抗があるというのだけれど、WHY(ホワ~イ)?どうして?

 

それって日本人が単にケチなだけ、

あるいは官僚主義に完全に毒されているからではないだろうか?

 

ん?それって乞食(こじき)さん※みたいじゃん、かえってサービスをする人をバカにしているんじゃない?

人間は平等なんだから、

って?

 

どうしてそういう発想になるかねえ。

 

1年ちょっとの間とはいえ、チップを受け取って生活していたわたしから見ると、それはむしろ差別の裏返しのように見える。

日本人の差別意識はホント根強いんだよなあ。自覚できていない差別意識も含めて。

 

と、いっても、

これはあくまでもわたしの経験に基づく個人的見解であって、深く考えたものではない。

ナニ勝手なこと言ってんだ、くらいに思っていただいて結構。

 

でもまあ・・・、とにかく、

チップはウレシイよ~、楽しいよ~、(笑)

 

みじめな気持ちにならないか、って?

いや、全然、まったく。

 

そういう人も子どものころお年玉をもらった経験があるんじゃないかな?

お年玉もらってみじめな気持ちになった?

 

日本人がチップのようなものに対してネガティブな感情を抱くようになったのは、そう古いことではないと思う。

昔から「心付(こころづ)け」「ご祝儀(しゅうぎ)」というものがある(あった?)んだから。

 

そのころわたしはそのホテルがチップオーケーであるのはM社長が外国のホテルの真似(まね)をしているのだ、と思っていたが、

もと役者だったM社長の経験もあったのかもしれない。

 

とはいっても、ホテルが大っぴらにチップを認めていたわけではない。

あくまでも、

もらってもとがめだてはしないよ、というスタンス。

 

だから、チップの話題はホテルではタブーだった。

あくまでも、暗黙の了解、ボーイのひそひそ話の世界。

 

それでも、チップを渡してくれるお客さんの比率は80%を超(こ)していたと思う。

 

しかも心得た?お客さんばかりで、チップを渡すのはエレベーターでか、部屋の中。

ロビーや廊下でいただいたことは一度もない。

 

外人のお客さんの多かったホテルとはいえ、半数は日本人なのだから、みなさんよく知っていたなァ、と、いま思い出しても不思議な気がする。

 

旅行会社が「暗黙の了解」を説明していたのかな?(笑)

 

しかし、だからと言って、チップを渡すか渡さないかでサービスに影響があるわけではない。

チップを要求するようなことはなかったし(それは許されない)、無いからといってサービスやボーイの表情・接客態度に変化があるわけでもない。(中にはそのあたりちょっと怪しい人もいたような・・・(笑))。

 

だから、いただいても、感謝の表現を強く現わすことはなく、さりげなく感謝の気持ちをこめて、外人さんにはサンキュー、日本人にはありがとうございます、と言って軽く会釈するくらいのものだった。

 

内心はまったく別だったのだけど。(笑)

 

こう書くと、ちょとややこしいホテルだな~、と思って敬遠したくなる人もいるかも知れないが、

ホテルの評判は意外なほど良かった。

 

リピーターも多く、旅慣れた女性から「このホテルは(いい意味での)穴場なのよねー」と言われたことがあった。

クレームもほとんどなかった。

 

これはサービスの内容もさることながら、ホテルに人の血が通っていた、というか、アットホームな雰囲気のあったことが大きかったのではないだろうか?

 

そしてそれは、従業員の自由度が高かったことに支えられていたと思う。

 

M社長、仕事に対して非常に厳しい姿勢の人であったかも知れないけれど、ウルサイ人、細かい人ではなかった。

仕事は各自の自主性を尊重する、というか、人をモノ扱いする人ではなかったんだなァ。

 

そのころはまだそんな経営者が存在していた。

 

それだけに、イヤイヤで義務的に仕事をするような人にはかえってつとまらない職場であったかもしれない。

今ではどの企業でも重宝されるような?上だけを見る偽善的、他罰的な要領のいい人も浮いてしまう環境だったように思う。

 

 

↓これは、わたしが働き始める3年ほど前に、学校を卒業してそのホテルにコックとして就職した人がブログでUPしていた、当時のレストラン厨房の様子の写真なのだけれど、みなさんいい表情をしている。

 

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            (写真お借りしまーす。元ボーイより。(笑))

 

それにしても、今はもう無いホテルの記憶というか、記録をこうして見ることのできるネットのすごさに改めて驚く。

 

こんな画像も見つけた!

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これは実は映画のワンシーン。背景に写っているのがそのホテルだ。

この時はまだ工事中でホテルの開業は翌年。わたしは田舎の中学一年生だった。

 

写っているのは戦前戦後を通じて長く俳優として活躍した藤原釜足さん。

 

映画は加山雄三さんの「若大将シリーズ」のひとつ。※2

 

まだ現役ばりばりといった感じの加山雄三さんだけれど、芸歴はおそろしく長いんだなー。(笑)

 

 

 

うーーん、当時のことを思い出していると、とりとめがない、というか次から次へと記憶が蘇(よみがえ)ってくる。

 

ということで、次回もホテルでのアルバイトの話。なんだか続きそう。(笑)

 

 

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ちなみに、わたしは「乞食」という「職業」を認めている。

 

※2

こちらの映画。いまはもう見ることのできない懐かしい風景がてんこ盛り。DVD買おうかな?

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