2024年8月(はちがつ)も

気(き)が付(つ)けばもう下旬(げじゅん)。

 

相変(あいか)わらずの猛暑(もうしょ)だけど、お盆(ぼん)を過(す)ぎていくぶん過(す)ごしやすくなったような気(き)がする。

 

エアコンなしの夏(なつ)だったのだけど、案外(あんがい)すんなりと乗(の)り切(き)れたのは、

なんといっても

水風呂(みずぶろ)のおかげ。

(わたしではない。すごく気持(きも)ちよさそうに浸(つ)かっておられるので、お借(か)りした。(^^;))

 

いやあ、水風呂(みずぶろ)がこんなにも気持(きも)ちがよくて、暑(あつ)さに効果(こうか)があるものとは、この齢(とし)になるまで知(し)らなかった。

 

熱(ねつ)がこもってカッカしていた頭(あたま)も体(からだ)も水風呂(みずぶろ)に入(はい)るとすぐに平常(へいじょう)の状態(じょうたい)に戻(もど)り、地獄(じごく)から娑婆(しゃば)に戻(もど)った心地(ここち)がする。

 

20分(にじゅっぷん)ほども水(みず)に浸(つ)かった後(あと)、風呂場(ふろば)から出(で)ると、これがまた、

部屋(へや)の気温(きおん)が22℃か23℃くらいに感(かん)じられる。

まるで魔法(まほう)の力(ちから)で部屋(へや)の気温(きおん)が下(さ)げられたよう。

 

小一時間(こいちじかん)もすると、また汗(あせ)がにじみ出(で)てくるのだが、

それまでの間(あいだに)に本(ほん)を読(よ)んだり、掃除(そうじ)などの作業(さぎょう)をしたり、といったことが気持(きも)ちよくできる。

 

本を読む、といえば、水風呂に入(はい)りながらの読書(どくしょ)がこれまた、いい。^^

 

以前(いぜん)、古本屋(ふるほんや)で一冊(いっさつ)100円で買(か)っていた小林一茶(こばやしいっさ)の全集(ぜんしゅう)を引(ひ)っ張(ぱ)り出(だ)して読んでいたのだが、ほぼ読破(どくは)というか、あと少(すこ)しで読(よ)み終(お)わる。

 

じっとしていても汗(あせ)の吹(ふ)き出る酷暑(こくしょ)の日々(ひび)に、

水風呂で頭(あたま)もクールに一茶(いっさ)の俳句(はいく)や文集(ぶんしゅう)を読(よ)みふけることができるなんて、シアワセでしかない。(笑)

 

それにしても、一時(いちじ)はどうなることかと思ったエアコンの故障(こしょう)だったのだけど、人間(、にんげん)、覚悟(かくご)をきめればなんとかなるもので、

水風呂、アイス枕(まくら)(3個)、扇風機(せんぷうき)、の3点セットに加(くわ)え、カーテンを取(と)り付(つ)けて玄関(げんかん)を開(あ)けっぱなしにし、ベランダ側(がわ)の戸(と)も全開(ぜんかい)にして風通(かぜとお)しをよくする、といった対策(たいさく)で、どうやらこの夏(なつ)を乗(の)り切(き)ることができそうだ。

 

・・・・・ひょっとしたら、エアコンに頼(たよ)っていた去年(きょねん)までに比(くら)べ、充実(じゅうじつ)した夏だったかもしれない。

電気代(でんきだい)を心配(しんぱい)することもなかったし、

 

よかった、よかった。

 

なんて思っていたら、

やはり「あいつ」はオソロシイ。

 

このあいだ外出(がいしゅつ)するとき、いったん外(そと)に出て、忘(わす)れ物(もの)を思(おも)い出(だ)したので玄関(げんかん)のドアを開(あ)けようとしたら、ドアノブが下(さ)がらなくなっていて開けることができない。

 

何度(なんど)下げようとしてもダメ。

 

あっけにとられ、茫然(ぼうぜん)、いったい何(なに)が?と考(かんが)えていたら、

あ、

玄関(げんかん)の中(なか)に入(い)れていた手押(てお)し車(ぐるま)。

それが動(うご)いてドアノブの下にはまった?

 

それしか考えられず、実際(じっさい)そうだったわけだけど、

どうすることもできず、管理人(かんりにん)さんに連絡(れんらく)、業者(ぎょうしゃ)さんを紹介(しょうかい)してもらった。

 

業者(ぎょうしゃ)さんに電話(でんわ)をすると、まず料金(りょうきん)の交渉(こうしょう)。

作業前(さぎょうまえ)に料金(りょうきん)が決(き)まるというシステムに少(すこ)し驚(おどろ)いたが、それがいまのやり方(かた)なのだろう。

「料金は、そちらへの到着(とうちゃく)が夜(よる)8時を過(す)ぎると思いますので、深夜料金(しんやりょうきん)がかかって〇万(まん)〇千(せん)円(えん)です。」

と業者さん。

「はあ・・・。」

(た、高(たか)い~。)

最近(さいきん)の相場(そうば)を知(し)らなかったわたしは、一瞬(いっしゅん)、固(かた)まったけれど、家(いえ)の中(なか)に入(はい)れないのではどうしようもない。

「お願(ねが)いします・・・。」

 

来(き)てくれた業者(ぎょうしゃ)さんは愛想(あいそう)がよくて、ドアも比較的(ひかくてき)短時間(たんじかん)で開(あ)いた。

良心的(りょうしんてき)な業者さんらしく、思ったより簡単(かんたん)だったということで、決(き)められた料金から10%引(ひ)いてくれた。

 

家(いえ)の中(なか)のおカネをかき集(あつ)めて料金を支払(しはら)ったのはいいのだけれど、サテ、今月(こんげつ)、どうやって生活(せいかつ)して行(い)けばいいのか、途方(とほう)にくれた。

 

一難(いちなん)去(さ)ってまた一難、というか、まったく、

「逃(に)がさへんで~」(笑)とばかりに

少(すこ)しの隙(すき)をついてくる「あいつ」=(スナワチ)不運(ふうん)の底意地(そこいじ)の悪(わる)さ、執念(しゅうねん)深(ぶか)さには、いつものことながら嫌気(いやけ)がさしてくる。

 

わたしの場合(ばあい)、

隙(すき)だらけの生活(せいかつ)をしているお前(まえ)が悪(わる)いんだ、と言われれば、まァ、そうだけど、

 

世(よ)の中(なか)が不可抗力(ふかこうりょく)の災難(さいなん)、不運(ふうん)、不幸(ふこう)で満ちている、というのも事実(じじつ)で、人間(にんげん)の力、個人(こじん)の努力(どりょく)ではどうすることもできないものも多(おお)い。

そういった衆苦(しゅうく)を和(やわ)らげるのが政治(せいじ)の仕事(しごと)だと思うのだけど、なかなか現実(げんじつ)はそうは行(い)っていない、というか、むしろ逆(ぎゃく)のことが行(おこな)われているというのが日本(にほん)の現状(げんじょう)であるように思われる。

 

 

まあ・・・。(笑)

話(はなし)もわたしの脳(のう)も飛(と)びそうなので、また水風呂に入って頭(あたま)を冷(ひ)やそう。(笑)

 

それにしても、

一茶(いっさ)さんの文章(ぶんしょう)、俳句(はいく)に一貫(いっかん)して流(なが)れているテーマも人間(にんげん)の「運(うん)」なのだと思う。

運(うん)の残酷(ざんこく)さ、不思議(ふしぎ)さ、そして、その間(はざま)での人間の幸福(こうふく)。

そういったことがリアルに語(かた)られているから、二百年(にひゃくねん)経(た)っても尚(なお)胸(むね)にせまってくるものがあるのだろう。

 

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