パン屋さんの2階にあるカフェで、ピザパンとコーヒーの少し早いディナー(^^)
200円のピザパン。チーズとトマトだけかと思っていたら、チーズの下にハムがいっぱい隠れていた!
小さくカットされたハムを除いていると、となりの席に中年のビジネスマンが二人やってきて、なにやら仕事の話をはじめた。
いかにもできるビジネスマンといった感じで、言語明瞭、しっかりした声で話すので、放っといてもこちらの耳に話の内容が伝わってくる。
どうやら中途採用された女性の新入社員の評価のようで、
「あのコはやさしすぎるんだよ。だから悩んでいるんだと思う」
とか
「自分で英語力が不足していると思っているから、学校に行きたいらしい。まあそうやって勉強するのは会社のためになるからいいんじゃないかな?」
などと話しはじめた。
どうやらその会社の経営幹部らしく、ひとりは大学の助教授みたいな雰囲気でエリート臭がぷんぷん。もうひとりの方も
「私だって最初は英語も○○○○語も全然だったんだけど、仕事が好きだからやってこれたんだよね」
と言う感じで、サラリーマン?としては相当なハイレベル。
わたしのようなアホサラリーマンの成れの果てとは違った世界の話。
さらにその新入社員の話は続き、
「謙虚すぎるのも問題なんだよなあ」
「謙虚なのはいいんじゃない?」
「いや、謙虚なのは問題だよ。それは修正しなくてはいけない」
などと、・・・
「オイオイ、やさしくて謙虚?それこそ女性の美徳、最高の女性じゃないか!?それが問題だというほうが問題だろ」
とわたしは胸の中でつぶやいていたが、自分の会社経験からもそのことはある程度納得がいく。「謙虚さ」「優しい気持ち」などというのは現代社会、なかんずく会社などの「営利」集団にとっては美徳どころか「邪魔者」、「排除」「抑圧」の対象なのだ。
そういう「社会」が「日本社会」なんだよなあ。と、取り出したハムを見ながら腹の中で小さくため息をつく。
むかし、わたしが若いころ勤めていた会社は、当時としては男女平等、女性の待遇が抜群にいい、ということで、女性社員の入社試験の倍率は100倍近かった。
わたしは総務に近い仕事をしていたので、入社試験に関わることもあったのだが、「応募者」と「採用者」を見比べて、いつも「なぜ???」と疑問に思い、がっかりするのが通例だった。
わたしが「いい女性だな」とか「この人は素晴らしい」と思う人が採用されることはなかった((そういう人で)ひとり、コネがあるという人が採用になったかな?)
採用される女性というのはまあ、こういっちゃなんだが、「鬼」か「夜叉」か???カラダが頑健なのはもちろん、性格が悪く、かつキツイひとばかり。
しかし、確かに仕事はよくできる。要領も抜群。
それで容貌もそこそこで揃えていたのだから、人事担当、相当なものだったんだな。
しかし、そんな人事を担当していた重役が、退職間際になったとき、何を思ったのか、自分が担当する部署の社員のデスクの上すべてに鉢植えの花を置いた。
ある朝、わたしがやり残しの仕事を片付けるために一時間ほど早く出社すると、その重役氏がひとりで花に水をやっていた。
花はどれも枯れかかっていた。
あいさつをして仕事を始めたわたしを見ることもなく、かつてやり手で知られたその老重役氏は
「なあ・・・、うちの女性社員は花の気持ちもわからないんだよなあ」
と、つぶやくように言ったのだった。
あの、退職まぎわの「やり手重役」の、別人のようなサミシイ姿は、う~ん、今でも記憶にのこっている。
となりのエリート?ビジネスマンさんの話しはやがて日本語と英語の比較、日本の(マスコミの?)翻訳がおかしいことなどに移って行った。どうやら日常的に英語などの外国語に接する職場らしい。
そこでも、現実の職場体験から来る、興味深いハイレベルな話しがされていたのだが、わたしはもうピザパンを食べてしまいコーヒーも飲みつくしていたので店を出た。
「やっぱり世の中は発展(進歩)しているんだなあ。わたしの受けた英語教育ってナニだったんだろう?」などと自分のあほ人生を少しふり返りながら帰宅。
帰宅して野菜ジュースとサプリメント、インスタントラーメン(^。^)