新宿ピットインでの山下洋輔SPECIAL SESSIONに行ってきた。
関西にいたころはよくジャズライブの店に行っていたのだけど、東京に定住してからは初めて。
実に〇十年ほどジャズライブのお店にはご無沙汰だった。
そして山下洋輔さんのライブを見るのも〇十数年ぶり。
(〇の中の数字はあまり詮索(せんさく)しないでください。二、三、四、五、六、七八のどれかということで。(^^;))
〇十数年前、学祭に来てくれた山下洋輔トリオの演奏を聞いたのがわたしのジャズとの最初の出会いだった。
当時、学祭は自治会の主催でわたしは自治会の役員として名前を貸していて(?)その延長で学祭の実行委員にも名前を連ねていた。
(いちおう情宣部長という肩書。仕事はまったくしなかったけど・・・。)
その年の学祭は、学園紛争の後、長きにわたってあるかないか状態だった学祭を本格的に再建しようということで企画され、音楽関係のイベントもドカンといきましょうや、ということになって、自治会公認の音楽サークルが担当になって話を進めていた。
音楽に無知だったわたしはダラ幹よろしくタバコをふかしながら、音楽サークルの人たちに、
「拓郎(吉田)か陽水(井上)でも呼んできてよ。」
なんて言ったものだった。
内心、このバカと思われていたかどうかはともかく、サークルの責任者は
「あ、そうですね。交渉してきます。」
と爽(さわ)やかに答えてくれた。
その後、東京に出演交渉に行ったメンバーから、拓郎、陽水は出演料その他の費用で折り合いがつかなかった、と連絡があり、
(いまから考えると、まともに交渉したかどうか疑わしい・・・。(笑))
かわりにジャズのすごいトリオが来てくれることになりました、とのことだった。
(最初からこちらが本命だった?なにせ当時の音楽サークルはジャズが全盛で、軽音サークルなどもジャズをやっていた。)
わたしは田舎者丸出しで、ジャズ?ナニそれ?
と、イメージも何も持てない状態で、
山下洋輔トリオと聞いても?????、
まったく知らなかった。
(周りの反応を見て知ったかぶりしたけど。(汗))
そのあとは、大きなホールでやると聞いて「へー」と思ったくらい。
当日、実行委員会の他のメンバーから
「凄(すご)いよ」
と聞かされて、演奏中の会場に入って驚いた。
ホールの中はびっしり満員。
しかも、お客さんはほとんどが学外からきた人たちばかりで、学生は少数派の大人の世界が広がっていた。
そして何より演奏の迫力。
わたしのそれまでの音楽のイメージを覆(くつがえ)す異次元体験だった。
わたしは、ホールの一番後ろ、出入り口の近くに、立ちすくんで演奏に引き込まれていた。
茫然という様子だったと思う。
それからわたしはジャズにハマり音楽と言えばジャズとなった。(^^;)
ジャズ喫茶で多くの時間を過ごし、お金があるときはジャズライブのお店にも行くようになった。
あのころは関西にもジャズ喫茶やジャズライブの店がいっぱいあって、それらの店のひとつひとつがわたしのいい思い出になっている。
・・・と、わたしもトシなのかなァ。
ついセンチメンタル・メモリーズに浸(ひた)ってしまう。(笑)
東京に出てきてからは生活に追われるばかりて、ジャズ喫茶やジャズライブのお店には行かなくなり、もっぱらCD,最近ではyoutubeでジャズを聴くくらいだったのだけれど、ネットで山下洋輔さんのライブが新宿ピットインであることを知り、何十年かぶりでライブを見に行く気になった、というわけ。
それにしても、関西の店でも感じたことだけど、ジャズライブの店はどこもこじんまりしている。
新宿ピットインもそれほど大きなスペースではなく、しかも今はコロナ禍で座席数を半分に減らしているのだとか。
はたしてそれで採算が合うのか?
しかもこの夜ときたら、
山下洋輔(p)、坂井紅介(B)、江藤良人(Ds),池田篤(As),川島哲郎(Ts)、松本治(Tb)と、錚々たるメンバーの6人編成。
これで、入場料とキャパを考えると、採算どころかほとんどボランティア?
あのとき(学祭)、出演交渉をした人から聞いた、
「お金のことを考えたらジャズなんてやってられませんよ。」
と言ってくれたという、山下洋輔さんの言葉を思い出す。
そのときふと、30歳くらいで髪の毛も黒々としていた山下洋輔さんと、いまの白髪の山下洋輔さんが重なり合った。
わたしはジャズにはまって正解だったなァ、と思う。
あの時から今までの〇十数年間、われながらロクでもない人生だったな、と思うけど、ま、いいか、と思わせるものがジャズにはある。
冷たい雨が降った12月5日の夜に行ったこのライブもわたしの上質の思い出になりそうだ。
トシをとってもいい思い出を作ることはできるんだな。
ジャズに感謝。
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それにしても、この何十年間かで、お金がすべて、の価値観が徹底されてきているなァ。
映画なんとかの刃が興行収入288億円突破とか・・・、そのことが作品の価値であるように日本人のほとんどの人が思っている。
お金がすべての価値の物差しになっていることがよくわかる。
資本主義の末期段階。
それでも、ジャズや(浅川マキさんのような)ブルースは不滅であると信じたい。
いや、不滅でなくてはならない。
不滅の刃ならぬ不滅のジャズ。\(^^)/
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しかし・・・、
日本のジャズ界を取り巻く環境はとても厳しくなっているようだ。
こちら、ジャズベーシスト納浩一(おさむこういち)さんのブログ・・・。
ジャズを取りまく状況について一言。 | ベーシスト 納浩一オフィシャルサイト
わたしのブログの方の表題ではないけれど、
まさに
「何のために生きているんだ?」
と叫びたいような、ニッポンの現状。