夜の9時過ぎ、

急に炭酸飲料が飲みたくなった。

 

家に炭酸飲料の買い置きがなかったので、夜11時まで営業している少し離れたところにあるスーパーで無糖のコーラーでも買おうと、買い物袋を持って出かけた。

 

朝から降っていた雨はほとんど止(や)んでいたが、ぽつぽつと霧雨(きりさめ)のような小さな雨滴が落ちていた。

 

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道脇の草花もしっとりと濡れている。

(真ん中の写真が・・・?)

 

途中、右手が小学校、左側が柵板で囲われた空き地という狭い道を通ったのだが、

 

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この道を抜ける3~4メートルくらい手前で突然、後ろからパッと驚くような明るさで照らされて、ぎくりとして後ろを見ると、一台の自転車がけっこうな速さでこちらに向かってくる。

あわてて左端によけると、

「すみません」

と小さな声で言って、通り過ぎた。

若い女性だった。

 

「いや~、びっくりしたなァ、なんだ?あの照明は」

と、少しドキドキしつつ、道を抜けて見ると、

「あれ?いない。」

左右、前方と見通しのいい広い道路なのだが、さっきの自転車がどこにも見えないのだ。

前の建物の自転車置き場にも誰もいない。

ちょっと狐につままれた気分になった。

(50メートルほど先にお稲荷さんがあることはある。(笑))

 

「そういえばこんな霧雨の降る生暖かい夜は・・・」

 

(むかし、友人と二人線路脇(わき)の道を歩いていて、40歳くらいのタクシーの運転手さんに呼び止められて、「こんな格好の女子高生に会わなかったか?」と問われたことがあったのも、こんな生温かな霧雨の夜(その時は深夜)だったなァ。

聞けば、この近くまで制服を着た女子高生を乗せてきたのだが、家に寄ってお金をもらってくる、と言って降りたまま、いなくなってしまったのだという。

タクシーの運転手さんが少しおかしいなと思ってその女子高生の後を追ってみたのだが、どこにもいない。また、どの家も寝静まっていて女子高生が入った気配もない。

「逃げるとしたらこの道しかないんだ。ほんとうに誰も見なかった?」

「はァ。」

と言ってわたしは友人と顔を見合わせた。

「人っ子一人見ていません。」

わたしがそういうと、運転手さんは頭をかきむしって「あああ」と唸るような声をあげて道の端に座り込んでしまった。

どうしたのかね、と思いつつ、時計を見ると午前二時近く。

「ヘンだよね。」

わたしは友人に小声で言った。

「こんな時間に制服を着た女子高生が一人でタクシーなんて。」

「そういえばそうだ。」

わたしたちはどうしていいかわからず、距離を置いて運転手さんを見ていたのだが、やがて運転手さんは呆(ほう)けたような顔をして立ち上がると、ふらふらと立ち去って行った。

 

なんてことがあったなァ。(^^;))

 

とまあ、他にもあれこれ思いだしつつ、スーパーでコーラを3本買って無事帰宅。

 

あの自転車はどこかの細い抜け道にでも入ったのだろう、と推測しつつ、少々気味が悪かったので帰り道はルートを変えてあの狭い道は通らなかった。(笑)

 

帰って飲んだコーラがとても美味しくて驚いたのだが、これはかなりノドが乾いていたからだろう。(笑)

 

“幽霊の 正体見たり 枯れ尾花(おばな)"

 

がほんとうのところだと思うんだけどね。(^^)