恐(おそ)るべし、化(ば)け物(もの)サボテン。

ということで。(^^;)

 

一昨日(おととい)、散歩の途中で見つけた人間の背丈(せたけ)より高いサボテン。

どれほど年(とし)を経(へ)たものか、下の部分は木のようになっている。

 

花が咲きかけていたので、写真を撮(と)った、

 

 

のはいいのだけど、そこを離(はな)れてしばらく歩いていると、手の指(ゆび)がチクチクと痛痒(いたがゆ)くなってきた。

 

見ると、よく見ないとわからないような短(みじ)かい透明(とうめい)の?綿毛(わたげ)のようなものが刺(さ)さっていて、その周(まわ)りが赤くなっている。

 

指先で取ろうとしても、見にくいうえにしっかり食い込んでいて、なかなかとれない。

やっと抜いたと思ったら、今度は別のところがチクチクと・・・。

 

抜けばまた次、抜けばまた次という状態で、けっきょく指(ゆび)、手の甲(こう)、手のひら、両手(りょうて)あわせて十数か所に刺さっていた。

 

どこで刺さったかと考えると、あのサボテンのところしかない。

 

しかし、わたしはサボテンには触れていない。

 

最も接近したのはスマホで花を撮影したとき・・・、

とすると、そのとき手に綿毛針(わたげばり)?を吹き付けられた???

 

なんという恐るべき武器(ぶき)!(たまらん)

 

水木しげるさんの漫画、げげげの鬼太郎の髪の毛針を思い出してしまった。

           

 

サボテンもそうやって動物や人間?から身を守ろうとしているのだろうか?

 

サボテンに気持(きも)ちがあるかどうかはわからないけれど、生きるものはすべて生きよう、生き延(の)びようとしている。

それは間違(まちが)いないことだ。

 

それで、帰宅して、まだ刺さっているのはないかと手のひらを見ながら、ふと思ったのは、この近所で見かけるノラ猫やハトのこと。

 

公園などに「ハトにはエサをやらないでください」との表示(ひょうじ)が徹底(てってい)されている地域(ちいき)で、ノラ猫にエサを与(あた)える人もいないと見えて、ノラ猫もあまり見かけない。

 

それでも、ハトの集団(しゅうだん)はたまに飛んでいるし、この前は大人(おとな)?になりかけくらいの尻尾(しっぽ)の短(みじか)い黒猫(くろねこ)がふらふらと道路を歩いていた。

 

以前、この近くでガリガリに痩(や)せた子猫がわたしの後(うし)ろをついてきたことを思い出す。

 

立ち止まって、「すまんなァ。わたしのトコはペット禁止(きんし)なんだよ。」というと、花壇(かだん)の花を嗅(か)ぐような仕草(しぐさ)をしてそこに止(とど)まって、それ以上(いじょう)はついてこなかった。

 

それで、昨日(きのう)はビニール袋に入れた一握(ひとにぎ)りの玄米(げんまい)とキャットフードの小分(こわ)け袋をポケットに入れて出かけた。

 

まあ、気休(きやす)め。

 

あとであーあ、と思うほどアワレそうなのがいれば、やろう、と思っていたのだ。

 

すると、出て少し行くと、二十羽(にじゅうわ)ほどのハトの集団(しゅうだん)がこちらに向(む)かって歩いて来る。

まるで行進(こうしん)するかのように。

 

エッ?

白昼夢(はくちゅうむ)を見ているようだった。

 

しかし、ハトたちは、わたしの存在を気にしないかのように通り過ぎて行く。

見れば、みんな小柄(こがら)というか小さなハトばかり。

ひどく痩(や)せているようにも感じた。

 

どうしようかな?と迷(まよ)っていたけど、最後尾(さいこうび)が通りすぎたところで、ビニール袋から玄米を出してハトの集団に向けて投げてやった。

 

そのまま走るようにしてその場所を離(はな)れたのだけれど、その行為(こうい)を何人(なんにん)かの人には見られていたようなので、後(あと)から町内会(ちょうないかい)の人に叱(しか)られるかもしれない。(T-T)

 

以前、日野原重明という有名なお医者さんが、「愛(あい)には犠牲(ぎせい)が伴(ともな)うんです。」と言っていたのをテレビで見て、

“いいこと言うなァ"と感心したことがあったけど、

わたしのこのささやかな行為もそれくらいの犠牲は払(はら)わなければならないのだろう。(^^;)

 

でも、もうやらないよ。

 

この日、ノラ猫には出会(であ)わなかった。

 

しかし、ハト(ドバト)にしろノラ猫にしろ、元々は人間に飼われていてこの国に渡ってきたものだ。

 

どんな厳しい環境(かんきょう)でも人間の近くにいようとするのも生きようとする意志(いし)、本能(ほんのう)?なのかもしれない。

 

しかし、そういう命(いのち)って悲(かな)しいなァ、って思う。

 

最近は人間の命もそれに似(に)た状態(じょうたい)になりつつあるような気もするが・・・。

 

それにしても、あのサボテン。

両手の小指(こゆび)の側面(そくめん)にそれぞれ二か所ほど棘(とげ)の抜(ぬ)き忘(わす)れがあったようで、押(お)すと痛(いた)い。

しかも皮膚(ひふ)の中に入(はい)り込(こ)んでいてもう取れない。

 

敵(てき)ながらあっぱれ?というか大(たい)した武器(ぶき)だ。

 

いまごろは満開の花をつけているのではないだろうか?(見に行かないけど。)